2025年9月12日122 ビュー View

【取材】愛犬の「今」を残す写真を。“一生ものの1枚”を生み出す犬専門フォトグラファー・内山慎吾さん

犬と人がリラックスできる場所だからこそ生まれる、“一生ものの1枚”。

犬専門フォトグラファー・内山慎吾(うちやま しんご)さんは、「犬と一緒にいて居心地の良い空間」を大切にし、撮影時には犬も飼い主も自然体でいられるスタジオづくりにこだわっています。

犬本来が持つ生命力や個性、美しさを映し出すことに全力を注ぐ内山さん。

今回は、そんな内山さんのスタジオに密着し、「愛犬の今」を写真で残すことの価値や、撮影スタジオへのこだわりまでじっくりお伝えします。

犬専門フォトグラファー・内山慎吾さんのフォトスタジオに密着!

撮影:内山慎吾

 

「愛犬の“今”を、美しく残したい」

 

そんな想いを持つオーナーさんに、ぜひ知ってほしいフォトグラファーがいます。

 

それは、世界で活躍する“ワンコ専門”のフォトグラファーの、内山慎吾(うちやま しんご)さん。

フォトグラファー・内山慎吾さん

 

数々の雑誌で表紙を飾り、現在では厳選された作品だけが集まる「Adobe Stock プレミアムコレクションコントリビューター」としても活躍中。

 

ヨーロッパ最大級の国際写真コンペティション「PX3(Prix de la Photographie, Paris)」では、Domestic Animals部門で金賞を受賞した経歴の持ち主です(2011年)。

 

今回わたしたちは、トイプードルライフでの「ヘアスタイル特集」のモデル犬撮影を通じて、内山さんのスタジオ現場に密着。

 

スタジオに込めた想いや、撮影時のこだわり、そして「愛犬の写真を残すこと」の価値にいたるまで、たっぷり語っていただきました。

 

「犬と人が、一緒にいて居心地の良い空間にしたかった」

 

スタジオに足を踏み入れてまず感じたのは、初めて訪れた場所であるにもかかわらず、どこかほっとする温もりのある空間だということ。

 

撮影スタジオのセットやカメラ、隅々まで手入れが行き届いた機材が整然と並ぶ中にあっても、不思議と緊張がほどけていくような、おだやかな空間だったのです。

 

「僕にとってこのスタジオは、“犬と一緒にいるための場所”が先にあるんです。

撮影のための場所というより、犬と人が一緒にいて、“心地よく過ごせるかどうか”を一番に考えてきました」

 

犬たちが回遊しやすい家具の配置、やわらかな自然光が差し込む明るさ、そして足腰にやさしいフロアマット。

 

どれもが「犬目線」で丁寧に考え抜かれた空間には、内山さんのこだわりが細部にまで息づいていました。

 

ただ「可愛い」だけじゃない。犬たちの“本質的な美しさ”を追い求めて

 

気高く、美しく、そして力強く。

 

内山慎吾さんの作品には、どれも犬たちの生命力と内に秘めた強さが映し出されています。

 

毛の一本一本、目の奥に宿る感情や、光と陰が織りなす立体感——そのすべてが、まるで一枚の肖像画のような奥行きを感じさせるのです。

 

「“かわいく撮ろう”というより、“美しく撮りたい”という気持ちの方が強いんです。」

 

「犬たちは、ただ愛らしいだけじゃなくて、

彼らが本来持っている気高さだったり、ちょっと野生っぽい一面も持っているんですよね。

 

でも、人と一緒に暮らす中でこそ見えてくる、オーナーさんと目を合わせる瞬間のやさしさとか、日常のなかで育まれたその子らしい個性も、写真に落とし込められたらいいなといつも考えています。」

 

「そのためにも、シンプルな画づくりが、僕が考える“美しい写真”なのではないかと突き詰めた結果、今のライティングや構図につながりました。」

 

シャッターを切ったその瞬間で、すべてが決まるわけではありません。

 

内山さんは、撮影後の写真の選定、現像のプロセスにおいても、細やかな心配りを惜しみません。

 

「たくさん撮った中から、オーナーさんにお渡しする写真を選定するのですが…。

 

目線や被毛の流れ、鼻先の“湿り気”なんかも含めて、僕の考える“その子ならではの美しさ”に一番近いものを、一枚一枚確認して選定しています。

 

それは現像の表現過程でも一緒で、こだわりを持って仕上げています。」

 

その一枚に“その子らしさ”が映し出されているかどうか。

 

最後の仕上げまで、内山さんの眼差しはゆるぎません。

 

撮影前の、ひと呼吸。—内山さんのこだわり

 

内山さんが撮影時に最も意識しているのは、実は犬たちの様子を見ること以上に、「オーナーさんの心をほぐすこと」だと話します。

 

「犬たちは、オーナーさんの心の状態をものすごく敏感に感じ取るんですよ。

表情はもちろん、声のトーンや、汗の匂いまで。

だから、オーナーさんが緊張していたり、不安に思っていると、犬たちもそわそわし始めちゃうんです」

 

「だからこそ、撮影前はオーナーさんに安心していただけるように、まずは軽くお話して、オーナーさんも安心できる穏やかな場づくりを大事にしています」

 

オーナーさんの心がほぐれると、自然と犬たちの表情もやわらかくなる。

 

今回の丸一日にわたる撮影企画も、終始和やかな空気の中で進んでいました。

 

愛犬の「今」を、残す写真を。

最後に、愛犬との時間を“写真”というかたちで残すことについて、内山さんが静かに想いを語ってくれました。

 

実は内山さんが写真を始めた理由も、スタジオを立ち上げたきっかけも、すべては愛犬と過ごした日々の中にありました。

 

名前は、マックス。 ビーグル犬です。

スタジオの一角には、今も内山さんの愛犬・マックスの写真が大切に飾られています。

 

「僕はマックスと写真を通じて、強い絆を築くことができました。

 

“この子をきれいに、かわいく残したい”という想いから、撮影のために一緒に外に出かけたり、スタジオで一緒に遊びながら撮ったり。

 

そうやって、より深く繋がっていけたと思っています」

 

「それにスタジオでの撮影って、かしこまったものじゃなくていいんです。

 

“ちょっと行ってみようかな”って、気軽な気持ちで来てもらえたら嬉しい。

 

前日に“どんな写真になるかな?”ってワクワクしたり、撮影のあとにみんなでごはんを食べに行ったり、『あの時楽しかったね』って家族で話しあったり。 

 

そんなふうに過ごすひとつひとつの時間が、愛犬との「大切な思い出」として、写真に紐づいていくと思うんです」

 

スタジオに訪れるすべての人や犬たちに対して、いつもあたたかく迎え入れ、1枚1枚の作品と、誠実な思いで向き合い続ける内山慎吾さん。

 

ぜひ、あなたの愛犬の「今」を、内山さんの写真で“かたち”に残してみませんか?

 

 

text:Chiharu Ota

 

 

◆内山慎吾さんの撮影スタジオはこちら!

 

公式

サイト

 内山慎吾フォトスタジオ

住所
横浜市青葉区あざみ野南4-14-28
Instagram

@uchiyamashingo_photography

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