【取材】石野卓球ートイプードル2頭を溺愛する、裏面。
電気グルーヴのメンバーであり、テクノDJとして世界でも活躍する石野卓球さん。
音楽、酒、破天荒のイメージが強い石野卓球さんですが、愛犬のトイプードル、サルとゲンキを溺愛する「裏面」もファンの間では有名。
子どもの頃から夢だった愛犬との暮らしは、あまりにも突然やってきて、まさか多頭飼いをする人生になるなんて。
「夜は一緒に寝ちゃってます」「なるべく死ぬまで、犬と暮らしたい」
私たちトイプードルライフが、ほかでは見せない石野卓球さんの犬好きな一面に迫ります。
それは突然に。トイプードル「サル・ゲンキ」との出会い
ーーさっそくですが、サルちゃん、ゲンキちゃんとの出会いを教えてください
石野卓球(以下、卓球):
もともと夫婦で犬を飼いたいねって話しはしていたんですよ。コロナ禍で家にいる時間も長かったし、でもいざ迎えるとなると、なかなか踏ん切りがつかなったんですよね。
それで2年前くらいかな、コロナ真っ只中のときに、実家の犬が亡くなったと母親から連絡があって。ミックス犬で16歳まで生きたんだけど、母は一人暮らしだったから溺愛していて。
電話で話したらすごく落ち込んでいたみたいで、「実家に行こうか?」って言ったんだけど、世の中の状況が状況だから来るなって言われたんです(笑)。
それでもまぁ心配だったんで、夫婦で様子を見にいったら、ちょうど犬の遺品整理っていうのかな? をしていて、やっぱり亡くなってすぐだったし、寂しいと。
――それはお母様も嬉しかったでしょうね
卓球:
何も言わずに実家に行ったから帰れって言われるかと思ったんだけど、意外にも嬉しかったみたいですね。
また犬を迎えたら? なんて話しもしたんだけど、年齢的にも最後まで面倒見られるかわからないし、無責任なことをはしたくないと言ってましたね。
まぁそういうもんかぁ…なんていろいろ話して、そろそろ帰るわーって帰路についたんだけど、実家の近くにホームセンターがあって寄ってみたんですよ。
そしたらペットコーナーに2頭のトイプードルの兄弟がいて。
その場でかみさんと話して、1頭はうちで迎えて、もう1頭は母親に預ける形にしようと。
もう半ば強引ですよね(笑)、お母さんに何かあったら俺らが引き取るからちょっと預かってくれってお願いしたんです。名前も自分で決めてくれよ〜なんて言って。
そしたら体調も悪かったのが、男の子の子犬がきて元気になったと。その子は「ゲンキ」って名前なんですけど、それが由来なんですよね。元気になったから「ゲンキ」。
ちなみにうちに来たのは猿に似ていたから「サル」って名前にしました(笑)。
ーー卓球さんらしいネーミングですね(笑)。その行動力に、お母様も驚かれたんじゃないでしょうか
卓球:
あとで聞いたら青天の霹靂だったみたいですね。でも自分でも驚いたんだけど、それぞれ兄弟犬1頭ずつと暮らすようになって、ものすごく母親と電話するようになったんですよ。
今までは最低限のことしか話さなかったし、すぐ喧嘩してたんだけど、もう毎日犬のことで電話しちゃって(笑)。
共通の話題があるし、そっちはどうなの? なんて話してさ。
お母様が亡くなって
ーー今は卓球さんご夫婦が2頭と暮らしてらっしゃるんですよね
卓球:
そう、母親が去年の頭に亡くなりまして。結局ゲンキと過ごしたのは一年くらいだったけど、お互い良かったんじゃないかなと思います。
それで約束通りというか、ゲンキをうちで引き取って、2頭になってからちょうど一年くらい経つのかな。
ーーサルちゃん、ゲンキちゃんは仲良くしていますか
卓球:
血が繋がる兄弟なんだけど、性格が真逆なんですよね。サルは社交的というか人懐っこいんだけど、ゲンキは警戒心が強い。でもそのバランスが絶妙で、うまくやってるんじゃないかなぁと思います。ケンカもしないですしね。
犬を迎える前はまさか2頭と暮らすことになるとは思ってもなかったけど、本とか読んでいろいろ勉強しましたよ(笑)。
一応サルが先住犬なんで、ごはんやおやつをあげる時なんかもサルが先というか、常に尊重するというのは徹底していますね。それをゲンキもわかってくれてるみたいで、やっぱり兄弟なんですかね。
「夜は一緒に寝ちゃってます」
ーーご職業柄、夜のお仕事も多いと思いますが、犬を迎えてからライフスタイルは変わりましたか
卓球:
ここ2年くらいは朝5時くらいに起きるようになりましたね。やっぱりDJとか夜の仕事が多いから今までは夜型だったんだけど、犬が来てコロナがあって、すっかり朝型になりました。
年齢的なものもあるんだろうけど、おじいさんが早起きしてる理由がわかってきましたもんね、目覚めちゃうんですよ(笑)。
昔は12時間寝っぱなしとかできたけど、2時間単位で目が覚めちゃう。寝る時間も早くなったし、夕方5時半に飯食って7時に寝る日もありますから(笑)。
コロナが落ち着いてからも、どんなに夜遅くに寝ても朝5時に起きて散歩に行きますね。たまにベロベロの日もありますけど(笑)。
ーー睡眠といえば、夜は一緒に寝ているのでしょうか
卓球:
寝ちゃってますね。いろんな本を読んで、一緒に寝ると癖になるからヤメた方がいいって書いてあったけど、サルを迎えた初日の晩に我慢できなくて、もういいやって(笑)。
最初はサルが俺の頭の辺に寝ていたんだけど、今はゲンキが枕元で、サルが足元に寝ています。
今も地方の仕事とか多いんだけど、ホテルのベッドで目覚めると、あれ? いないって。そうだここはホテルだったって思いますもんね(笑)。
ペット可のカフェに詳しくなった!オフの過ごし方
ーーかなり溺愛されているのが伝わります。お食事なども気を使ってらっしゃるのでしょうか
サプリとかすごいあげてますね。ふたりとももうすぐ3歳なんだけど、3歳でサプリメント(笑)。
フードの食いつきが悪いときはトッピングしたりおやつを乗せたり、いろいろやってますよ。
ゲンキの方が少し関節が弱いので、サルよりサプリが多めかな。
ーーライフスタイルの話しに戻りますけど、オフの日の過ごし方は変わりましたか
卓球:
基本的にいっしょに出かけますからね、ペットと入れるカフェとかものすごく詳しくなりましたよ(笑)。遠くへ行くんじゃなくて、近所に出かける頻度が多くなったかもしれないですね。
飛行機はかわいそうだから難しいけど、新幹線で静岡にあるペットと泊まれる宿にも行きましたよ。
なんか一棟貸しの庭がついてるようなところで、すごく走り回ってましたね。あの様子を見るのはなかなかいいよね(笑)。
できる限り、死ぬまで犬と
ーーInstagramにも包み隠さず「溺愛っぷり」を披露されていて、とても好感がもてます!
卓球:
昔から犬との暮らしに憧れていましたから。実家がパン屋さんで飲食業だし、なかなか犬を飼うのが難しい環境だったんですよ。
子どもの頃から飼いたくても飼えなかったし、いわゆる自分でお世話する犬は初めてなんです。
ようやく念願叶った感じなので、それは伝えたくもなりますよね(笑)。
ーー最後に、生涯トイプードルと歩みたいと思いますか
卓球:
そうですね、やっぱり年齢的に無責任に迎えられないってのはあるけど、トイプードルはかわいいですよね。
犬を迎えてから他の犬にも目がいくようになりましたし。
そうだな、できる限りかみさんに長生きしてもらって、なるべく死ぬまで犬といっしょに歩みつづけたいですね。
◆石野卓球
1989年にピエール瀧らと"電気グルーヴ"を結成。
1995年には初のソロアルバム『DOVE LOVES DUB』をリリース、この頃から本格的にDJとしての活動もスタートする。1997年からはヨーロッパを中心とした海外での活動も積極的に行い始め、1998年にはベルリンで行われる世界最大のテクノ・フェスティバル"Love Parade”のFinal Gatheringで150万人の前でプレイした。1999年から2013年までは1万人以上を集める日本最大の大型屋内レイヴ"WIRE"を主宰し、精力的に海外のDJ/アーティストを日本に紹介している。
現在、DJ/プロデューサー、リミキサーとして多彩な活動をおこなっている。
愛犬はトイプードルのサルとゲンキ。
Photo:Hiroaki Otake
Text:Chika(editor-in-chief)
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