2025年3月8日912 ビュー View

【犬オーナー必見】20歳と19歳のトイプードル!食事の工夫、病気、サプリ、愛犬グッズなど“長寿の秘訣”とは #2ソナ、ハチ

15歳を超えても元気なトイプードルを“レジェンドトイプー”と呼び、その元気の秘訣をオーナーさんに伺う特集『レジェンドトイプーの肖像』。

 

今回ご紹介するのは、20歳のソナちゃんと19歳のハチちゃん。

 

8頭のトイプードルと暮らす田中さんに、長寿の秘訣や日々の暮らしについてお話を伺いました。

 

シニア犬への食事、薬の飲ませ方、サプリ、グッズなど、すべてが試行錯誤の積み重ね。

 

今後、愛犬と長く健やかな生活を送りたいと願うすべてのオーナーさんにとって、心強いヒントが詰まっています。

はじめに:8頭のトイプードルと暮らす、田中家

ご自宅のお庭で一枚。取材当日はお天気に恵まれました。

 

今回お話を伺ったのは、なんと8頭のトイプードルと共に暮らす田中家。

 

たいせつな家族の一員として迎え入れたのは、5歳から20歳まで、年齢もバックグラウンドもさまざま。

 

保護犬施設から迎えた子、迷子犬、ブリーダーの繫殖犬を引退した子…。

 

どの子も、今では田中さんの温かい愛情のもと、のびのびと暮らしています。

 

今回は、20歳のソナちゃん、19歳のハチちゃんにフォーカスを当て、「長寿の秘訣」や日々の暮らしについて、たっぷりとお話を伺いました。

 

ソナちゃんプロフィール

トイプードル

名前

ソナちゃん

年齢&性別

20歳・女の子

好きなこと

目が見えていた頃は、トリミングしたての自分の姿を鏡で見ることが好きだったそう。

 

ハチちゃんプロフィール

トイプードル

名前

ハチちゃん(呼び名:はっちゃん)

年齢&性別

19歳・男の子

好きなこと

ママさんのことが大好き

 

小さいころ・出会い

写真左:はっちゃんのお母さん。写真右:生後2か月足らずのはっちゃん。

ーーさっそくですが、ソナちゃん・ハチちゃんの名前の由来を教えてください。

田中さん:

ソナちゃんは、当時「ユン・ソナ」という韓国のタレントさんがいて、そこからソナちゃんという名前を付けました。

 

はっちゃんは、お家で朝の8時に生まれたから、ハチちゃん。

 

はっちゃんが生まれた時から、ソナちゃんとずっと一緒なんです。

 

ーーソナちゃん・ハチちゃんは、普段どんな子なのでしょうか。

田中さん:

はっちゃんは、「私が産んだかな!?」と思うくらいに可愛くて(笑)。

 

昔は、みんなのリーダーとして引っ張ってくれるような存在だったんですよ。

 

最近は子どもに返ってきて、今ではご隠居はんです。

取材中、田中さんの足元に寄り添っていたソナちゃん。

 

ソナちゃんは、気が強い女の子。

 

昔は、じぶんよりも体の大きい子に体当たりしたり、けんかっ早いところもあったんですよ(笑)。

 

ソナちゃんは、うちで唯一ブリーダーさんから迎えた子です。

 

レジェンドの秘訣①:「食事」の工夫

取材中、いつものごはんの作り方を実演してくださった田中さん。

ーー普段、ソナちゃん・ハチちゃんはどんなごはんを召し上がっているのでしょうか。

田中さん:

うちは、フードをそのままあげると飲み込みづらいので、「葛(くず)」を溶いて、とろみをつけたごはんをあげています。

ソナちゃん・ハチちゃんのスペシャルメニュー

 

こうしてあげると、飲み込みやすくなるし、おなかもすごく安定するようになったんです。

 

滋養強壮にも良いんじゃないかな。

 

ーーとろみがついた状態だと、吸収率も高まりそうですね。

田中さん:

いつもあげている、フードと野菜を混ぜたごはんだと、そのままでも美味しいけど、食べづらそうにしていることがあったんです。

 

特に老犬になってからは、食べたものがちゃんと吸収されずに、そのままうんちになって出てきたこともあって。

 

多分、きちんと消化吸収されていなかったんですよね。

ドッグフードに、炊いたお野菜と葛を混ぜて作る、田中家の愛情ごはん。

 

ドライフードに葛を混ぜるようになって2、3年ほど経ちますが、ソナちゃんもはっちゃんも体調が安定するようになりました。

 

これをあげる前は、ソナちゃんはIBDを患っていて、血便が出て体調が悪かったり、毎月病院に通ってステロイドや注射に頼る日々が続いていたんです。

※IBD…腸に炎症の細胞が集まり、持続的な炎症(慢性腸炎)を引き起こす病気のこと。

 

それも、年齢が上がって通院そのものが負担になって…。

 

そこで、病院通いをやめて、この子たちが食べれるものでなんとか工夫できないかと、漢方やサプリを試してみたり。

 

最終的に、日々のごはんは、この方法に辿りつきました。

 

ごはんは、ソナちゃんは1日4回に分けてあげて、ハチちゃんには1日2回あげています。

冷蔵庫にいつもストックしてあるという葛ゼリー。

 

★葛入りごはんの作り方★

:葛粉に水を混ぜて溶かしたものを冷やし固めて、ゼリー状にする。

 

:1を電子レンジに数秒入れて溶かす。(様子を見て、とろとろの状態になるまで。)

 

:2を人肌程度の温度になるまで冷ましてから、いつものフードに混ぜて、ごはんをあげる。

 

ーー愛犬の食事面で、「我が家流」に工夫していることなどはありますか。

田中さん:

うちはいつも、焼いたお肉を出汁にして作ったスープを、水分補給としてあげています。

 

年齢も年齢だし、お肉そのものを噛んで飲み込んで消化することが難しくなったけれど、これなら吸収しやすい。

 

お水を飲んでほしいとき、お水だけだとなかなか飲んでくれない事が多かったのですが、これはすごく飲んでくれるんです。

ソナちゃん、いい飲みっぷり!

 

お肉スープをあげだして1年くらい経ちますが、このおかげで水分をたくさん取ってくれるようになって、ここ1年は生きてくれたんじゃないかなと感じています。

 

★田中家流・お肉スープのつくりかた★

:フライパンに油をひかずにお肉(田中家は牛肉)を焼く。

 

:1で焼いたお肉をお湯でうすく溶かして、人肌程度の温度になるまで冷ました後、ごはんにかけたり、そのままあげる。

 

ーーちなみに、みんな食べ物の好き嫌いはないのでしょうか。

田中さん:

そんなに無いかもしれません。

 

たまに、「ごはんはもういらない!」となる日もあるのですが、何かトッピングをしてあげると、食べてくれますね。

サンチュちゃん。名前の由来は、「お迎えした当時のお庭に、サンチュがなっていたから」。 最近、11.8キロから6キロへ大幅ダイエット成功!

 

でも、1日の中で1食や2食食べない日があっても、調子が悪くてごはんが欲しくない時もあるだろうし、そこまで気にしていません。

 

「たまには、どうしても食べたくない日だってあるよね」という感じで、自由にさせています(笑)。

 

レジェンドの秘訣②:「ごはんのあげ方」へのこだわり

ーー今、お使いになっているスプーンも、とても使いやすそうですね。

田中さん:

このスプーンが、すごく良くて。

他じゃダメなんです(笑)。

 

スプーンのしなりかたや大きさも、ちょうどいいんですよ。

 

例えば人間の赤ちゃん用のものだと、しなりすぎるんですよね。

 

百均や、赤ちゃん向けのスプーンなど、いろんなものを試して、今はずっとこれを愛用しています。

みんなでごはん。田中さんが持つスプーンにみんな、釘づけ!

 

あとは、うちはみんなで夕食後にすりおろしたリンゴを食べるんです。

 

それをスプーンであげて、ソナちゃんとはっちゃんは、リンゴの汁を飲んだり。

 

おやつはヨーグルトに蜂蜜を入れて、それをみんなで同じスプーンから食べて。

田中さんに抱っこされている、てっちゃん。頭の上の帽子は、「おうちの中でケガをしないように」と田中さんが被せてくれたもの。

 

てんかん持ちのてっちゃんは、おくすりを1日に3回飲むのですが、その時もスプーンであげているんです。

 

嫌がらずに飲んでくれるんですよ。

 

それも、普段のごはんの時間には、みんなで同じスプーンで食べているから、給餌やおくすりを飲むことに対してハードルが低いんじゃないかなって。

 

「これ(スプーン)で食べるものは美味しいもの」って思っているんでしょうね、きっと。

 

ーースプーン給餌を始められたきっかけは、何だったのでしょうか。

田中さん:

きっかけは、はっちゃんがごはんを食べられなくなった時があったんです。

 

そのとき、「どうしてなんだろう?」って色々試していたら、あるとき、「口が痛くて食べられないんだ」ということに気がついて。

 

それから色々と試行錯誤して、やわらかいスプーンでごはんを食べさせるようになってからは、モリモリ食べてくれるようになったんです。

ソナちゃん、20歳。食欲もバツグン!

 

スプーン給餌をはじめて四、五年くらいになりますが、もしかしたらうちはスプーン給餌が早かったから、長生き出来ているのかなって。

 

ごはんをしっかり食べられるようになったことで、体力もそんなに落ちていないんじゃないかな、と思います。

 

あとは、シニア犬の子ほど、自分でごはんを食べていると、疲れて食べるのを止めてしまう子もいるじゃないですか。

ブリーダーから引き取った、元ママ犬のミナリちゃん(六歳)。一年前に田中家の家族に。

 

うちだと、ミナリちゃんみたいに若い子でも、ごはんを食べたくない時は「食べさせて」って寄って来るんです。

 

そんな時に、スプーンで食べさせてあげることで、ごはんを食べられる量もしっかり増えて、健康に繋がったんじゃないかなと思っています。

 

レジェンドの秘訣③:“変化”がもたらした、安定と健康

ーーソナちゃんとハチちゃんについてお伺いしますが、これまでにかかった病気はありますか。

田中さん:

はっちゃんは、病気というか、生まれたときは薄毛でガリガリで、おなかを下すこともしょっちゅうで、虚弱体質だったんです。

おねむモードのはっちゃん。ママさんの足元で。

 

それが、耳が聞こえなくなってからの方が、ストレスが無くなったのか体調がよくなって、分離不安も落ち着くようになったんです。

 

今は、気管虚脱と、グレード2くらいの心雑がある程度です。

 

ソナちゃんは、2年前までは、病院に通い詰め。

 

IBDの治療でステロイドが欠かせなかったのですが、治療を止めて、サプリに切り替えてから、体調も落ち着くようになりました。

ソナちゃん・ハチちゃんが愛用しているサプリ

 

アニマストラス(食欲増進剤)

■与え方(田中家流):

おやつのヨーグルトとはちみつと一緒に混ぜて与える

 


 

コロイダルシルバー(抗炎症作用)

■与え方(田中家流):

人間用のものを一滴、朝晩のごはんに混ぜて与える

 


 

コロイダルシルバーは、ペット用のものではなく、より濃度が濃い人間用のものをあげています。

 

天然の抗生剤なので、IBDでステロイドが欠かせなかったソナちゃんがこれに切り替えても、問題ありませんでした。

 

犬用のサプリは割高で濃度が薄いので、人間用の濃いものを一滴あげる方が、油の吸収も少ないですし、我が家はこれをあげています。

 

「みんな、毎日いっしょです。」トイプードル8頭との暮らし

ご自宅のお庭で一枚。「はーいみんな、こっち向いて!」

ーーソナちゃんとハチちゃんの元気の秘訣は、のびのびと過ごせる環境にある気がしますが、“長寿”の秘訣はどこにあるとお考えですか。

田中さん:

みんな、いつも一緒に過ごす「刺激的な毎日」じゃないかなと考えています(笑)。

 

うちは基本、家の中で放し飼いですし、喧嘩もほとんどしないんです。

みんな自由に、のびのび。

 

はっちゃんは、19歳になった今でも元気にトリミングサロンに通っていますが、それもひとえにサロンのみなさんのおかげです。

 

今、よく通っているサロンさんは、14年前からお世話になっていて。

 

最近ではシニア犬の受け入れを制限するサロンも増えているので、若いうちから通い続けて信頼関係を築き、シニア期になっても安心してお願いできる環境を整えておくことも、大切だと思います。

トリミングサロンのスタッフさんからは、「19歳とは思えない!」と毎回驚かれるのだとか。

 

それに、ソナちゃんもはっちゃんも、じぶんの意志でトイレができるんです。

 

おむつもしていないんですよ!

ーー確かに、ふたりとも、今もおむつ無しで過ごしていますね。すごい!

田中さん:

ソナちゃんは、夜寝るときにはおむつをさせるのですが、日中はじぶんの意志で、じぶんでトイレができるんですよ。

 

だから、日中はおむつ無しで過ごさせていて、もしお漏らしをしちゃったとしても、その時に片づければいいか、って(笑)。

 

本人のしたいように、自由にさせています。

 

「我が家の掟は、“ピンピンコロリ”で。」

みーんな、田中さんのことが大好き。

 

どの子も特別で、どの子も大切。

 

共に暮らす8頭の愛犬に対して、変わらぬあたたかな愛情を注ぐ田中さん。

 

取材の最後に、「この先もずっと、そばにいる子たちへ、どんなことを伝えたいですか」とお聞きしました。

 


うちの掟が『ピンピンコロリ』で。

 

何も心配はいらないよ、辛いことや痛いことがあったら、全然我慢しなくていいから、いつでも旅立っていいよって言ってます。

 

つい1日も長く、とかって思っちゃうけど、しんどかったら「いいよいいよ」って。

 

今、いっしょに過ごせている時間を、大切にしたいですね。

 

田中さんと一緒に。写真左:ソナちゃん 写真右:ハチちゃん

 


8頭それぞれの個性と向き合い、ささいな変化にも気を配りながら、その子に合った最適なケアを考える田中さん。

 

年齢や体調、性格に合わせて無理をさせず、それぞれが安心して過ごせる環境を整える。

 

時には試行錯誤しながらも、あたたかな愛情を持って寄り添い続けてきた日々が、今のおだやかで健やかな暮らしにつながっているのでしょう。

 

長い年月を共に歩んできたからこそ、言葉を越えた、つよい絆が結ばれる。

 

それこそが、レジェンドの秘訣なのかもしれない——そう感じた取材でした。

 

 

Photo:Chika(editor-in-chief)

Text:Chiharu Ota

 

田中家が愛用している「愛犬グッズ」、聞いてみました!

★Airタグ

 

ブリーダーから引き取った、元ママ犬のミナリちゃん。

 

お迎えした当初は脱走癖があったそうで、少しでも安心して過ごせるよう、Airタグをつけることにしたのだそう。

 

これを付けていれば、どこにいてもすぐに居場所がわかるので、何かあった時も安心。


 

★STEP EQT 「歩けるくん」のサポーター

サポーター

 

肩の脱臼に悩まされていた、ウルテちゃん。

 

ウルテちゃんのために、田中さんが色んな商品を探していくうちに、たどり着いたのが「STEP EQT」の「歩けるくん」というシリーズのサポーター。

 

これを使い始めてから、肩の脱臼の頻度が減ったと感じているそうです。

 

田中家では、同ブランドのネックバンドやリストバンド、お洋服も愛用しているそうですよ。

 


★タイガークラウン シリコンソフトスプーン

 

お薬を飲ませるとき、みんなでオヤツやごはんを食べるとき、毎日のように重宝しているというシリコンスプーン。

 

やわらかな素材で、愛犬たちの口にも優しく、食べやすさ抜群。

 

編集部も実際に拝見しましたが、とっても使いやすそうなスプーンでしたよ!


 

「#レジェンドトイプー」で投稿お待ちしています!

トイプードルライフでは、取材にご協力頂けるレジェンドトイプーを探しております!

 

15歳を超えたトイプードルたちは、ぜひ「#レジェンドトイプー」をつけてInstagramに投稿してみてくださいね。

 

編集部から取材のお声がけをさせていただくかも!?

 

 

 

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