2023年5月25日4,517 ビュー View

【取材】20歳2ヶ月のトイプードル!長寿の秘訣とはーレジェンドトイプーの肖像 #1アンブレ

15歳を超えても元気なトイプードルを、憧れと敬意を込めて“レジェンドトイプー”と呼んでいる私たち。その元気の秘訣をオーナーさんに伺うのが、特集『レジェンドトイプーの肖像』です。

 

第一回のレジェンドトイプーは、20歳1ヶ月(取材時)のアンブレちゃん。これまで大病をすることもなく、レジェンドの年齢に辿り着きました。

長寿に至るまでの暮らしの様子や秘訣を、あんちゃんと姉妹のように過ごされてきた娘さんにお聞きしました。

アンブレちゃんプロフィール

名前

アンブレちゃん(呼び名:あんちゃん)

年齢&性別

20歳2ヶ月の女の子

大好きなこと

人と遊ぶこと

既往歴

・18歳でてんかん発作。血液検査の結果、腎臓病が判明

 

当時の流行とは違う姿に一目惚れ

パピー期のあんちゃん(提供:佐々木さん)

アプリコット色の被毛からフランス語で琥珀という意味のambreから命名されたアンブレちゃん。

 

しかし家族みんなが『あんちゃん』と呼びかけているため、本人も自分は『あんちゃん』だと認識しているのだそう。

 

そんなあんちゃんとの出会いから、レジェンドになった理由や秘訣を詳しくお聞きしました。

 

「出会いはペットショップで父が一目惚れをしたことでした。

 

当時はテディベアカットで小さめな身体のトイプードルが流行っていたのですが、あんちゃんはマズルが剃られたメリーさんカットで、しかも身体が大きめだったんです。

 

あんちゃんと一緒にいたテディベアカットの兄弟はすぐにご家族が決まったのに対し、あんちゃんはメリーさんカットと大きめだったためか、なかなかおうちが決まらなかったようです。

 

そんな時に父が一目惚れをして、我が家に来ました。

 

父曰く私に似ていたそうですが、ずっとぴょんぴょん飛び跳ねてみんなに愛嬌を振り撒く姿を見て、私ってこんなに騒がしいのかな? と心配になりました(笑)。

 

実はあんちゃんを迎える前に家族全員アレルギー検査をしたのですが、みんな少しアレルギーがあったんです。

 

血液検査の結果、犬は大丈夫だろうということで…特に抜け毛がないといわれているトイプードルに決めました」。

 

苦手なことは極力さける生活に

人と遊ぶことが大好きで、犬は苦手だというあんちゃん。

 

お散歩も苦手なため、ほとんどお散歩には行っていなかったのだそう。

 

「家の中は全部オープンにしていて、よく追いかけっこをしていました。

 

私のことはたぶん妹だと思っていて、毎日戯れ合っていました。今もよく一緒にごろごろしています。

 

私の学校やバレエのレッスンのお迎えにいつも来てくれて、私のお友達はあんちゃんのお友達でもあり、たくさん遊んでもらいました。

 

先生方からも私にそっくりとしばしば言われて、喜んでいいのか複雑な気持ちでした(笑)。

 

ペットサロンの皆さんもたくさん遊んで下さって、サロンに着くとお店のドアを閉めてサロン中を走り回っていたんですよ。

 

0歳から今までずっとお世話になっていて、感謝の気持ちでいっぱいです」。

軽井沢で意気揚々にお散歩中(提供:佐々木さん)

 

家族が1人だけのお散歩だと歩いてくれず、2人以上ならなんとか歩いてくれるというあんちゃんですが、なぜか歩いてくれる場所があるのだそう。

 

「軽井沢に行くと、なぜか歩くんです(笑)。

 

空気が綺麗で、アスファルトじゃない道だから、それをわかっているのか、急にドヤ顔で歩き出すんですよ。

 

不思議ですよね。帰ってくると、一切歩かないんですけど」。

 

てんかん発作がきっかけで腎臓病が発覚

18歳の時にてんかん発作を起こし、原因を調べるために血液検査をした結果、腎臓の数値が良くないことが判明したあんちゃん。

 

それまでは、大きな病気もしたことがありませんでした。

 

「本当に特別なことをしてきたわけではなくて…食事は16歳頃までは年齢に合わせたドライフードだけでした。

 

18歳でてんかん発作が起きてしまい、理由を調べるために血液検査をしたら腎臓が悪いということが分かりました。

 

それで脳の検査をするために大きい病院に行ったのですが、腎臓の数値が悪過ぎて麻酔をかけてMRI検査をすることができないと断られてしまい、実はてんかんの理由はわからないままなんです。

 

言われてみれば、トイレの回数が多かったりしていたのかもしれませんが、あまりに今まで元気だったのでわざわざ病院に連れて行くこともなくて。

 

腎臓病が分かってからは、療養食に切り替えました。Hill’sの腎臓ケアと消化ケアをふやかして、animondaのINTEGRA PROTECT 腎臓ケア(豚)も入れてすりこぎで潰してあげています。トッピングをしてあげると食いつきがいいんですよ。

 

それで今の状態をキープしています。

 

たまにササミや豚しゃぶをあげるとすごく喜ぶんです。若いときは一枚あげられたのですが、今は一枚を3食くらいに分けてご褒美としてあげています。

 

あんちゃんは昔から食欲がなかったことがないので、食べないことで困ったことがないんですよ。それはもう、元々内臓が強かったあんちゃんのおかげです。

さつまいもの匂いに釣られるあんちゃん(提供:佐々木さん)

 

それでも以前にお腹を壊したことがあって…獣医さんに整腸に良いと勧められてから、さつまいもをあげるようになりました。

 

でもさつまいもは糖分が多いから、色々考えた末にインカのめざめ(じゃがいも)に辿り着きました。

 

そこから自家菜園でも育てるようになって、収穫したらあんちゃんにあげています。

 

ただ、最近は鼻が悪くなってしまってインカのめざめの威力が薄れてきてしまって…でも、さつまいもを蒸すと甘い匂いで喜ぶことが多いので、少しずつ与えるようにしています」。

 

股関節が度々外れてしまったことも

トイプードルは身体が軽く、跳躍力が抜群です。あんちゃんも同様に、昔はジャンプをすることが多かったのだそう。

 

そのせいで、股関節を外してしまった経験があるのです。

 

「あんちゃんが8歳の頃に東日本大震災があって、怖かったのか後追いが凄かったんです。

 

ある日、出かけようとする母を引き止めるために飛び跳ねて、着地に失敗して股関節を外してしまって。

 

その時は急いで病院に行って股関節を固定する処置をしていただきました。ただ、家で安静にするようにと言われたものの、やっぱりお家だと大人しくしていられなくて…仕方なく入院させることにしたんです。

 

けれど病院でも「お家に帰りたい!」って暴れてしまって、結局手術をすることになりました。

 

そしていよいよお迎えという日に、喜びすぎてまた外れてしまったんです…(苦笑)

 

もう、これはまた全身麻酔で手術をするのは可哀想だから、筋肉を鍛えれば大丈夫とお聞きしたので、今はそのままなんです。

 

3ヶ月もすれば普通に歩いて、家の中も走り回っていました。

 

当時はジャンプでサークルの柵を乗り越えてしまうので、大型犬用のサークルを使っていたんですよ。

 

股関節を外してからは、なんとか注意してやめてもらって…ジャンプをしなくなった今、ようやく小型犬用のものにできたんです」。

 

いつでもあんちゃんファーストで

天真爛漫なエピソードが可愛らしいあんちゃん。

 

ここまで長寿になれた秘訣は、あんちゃん自身の底力はもちろん、ご家族のあんちゃんに対する思いやりが大きな要因だったのかと思います。

 

「元々あんちゃんはベッドで母と一緒に寝ていたのですが、今は夜中に徘徊するので、そのためにリビングにビニールプールを設置しています。

 

一度てんかん発作が起きてからはそこで寝ていて、母が隣のソファで寝ています。

 

若い時は狂犬病とワクチン接種以外は病院に行かない年もあったり、それほど健康だったんです。

 

だから取材の依頼をいただいたときも「何も特別なことがない」と悩んだのですが、ひとつ言えるのは、あんちゃんに「無理をさせない」ことだったのかもしれません。

 

お散歩も苦手だから抱っこだったり、犬が苦手だからドッグランには連れていかず、その分家で遊ばせたり。

 

これは嫌いだなって気付いたことはさせないようにしていました。

 

だからしつけもトイレとか最低限のことしかしてなくて…私たちが何かしてあげたのではなく、ここまで長生きできたのは、あんちゃんの生きる力です。

 

そんなあんちゃんの存在に、家族みんなが幸せをもらっています」。

 

佐々木さんのご自宅では、あんちゃんのためのたくさんの工夫がされていました。

 

「今はSNSで情報を発信されている方がすごく多くて、「こういうのがあるんだ!」と、参考にさせていただいています。

 

私は何かを発信するというよりも、あんちゃんの記念になれば…と思ってインスタグラムを始めたので、普段の姿しか投稿していませんが、どなたかが参考にしてくださればありがたいです」。

ぶつかっても痛くないようにフカフカにした壁とご飯台

20歳記念のバレンタインデーオリジナルチョコ

 

 

あんちゃんは、2023年5月16日に虹の橋へー。

こちらの取材後、2023年5月16日にあんちゃんは虹の橋へ向かいました。

 

ご家族のたくさんの愛情を受けて、20歳2ヶ月という天寿を全うしたあんちゃん。

 

常にあんちゃんを一番に考えてくださるご家族と共に生涯を過ごすことができ、幸せだったことと思います。

 

心からご冥福をお祈りいたします。

 

 

Photo:Hiroaki Otake

Text:Miki Fukui

 

 

★「#レジェンドトイプー」で投稿お待ちしています!

トイプードルライフでは、取材にご協力頂けるレジェンドトイプーを探しております!

 

15歳を超えたトイプードルたちは、ぜひ「#レジェンドトイプー」をつけてInstagramに投稿してみてくださいね。

 

編集部から取材のお声がけをさせていただくかも!?

 

 

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